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Z世代のdupe消費とメリハリ消費|“高いか激安か”二極化時代のブランド戦略

Z世代のdupe消費とメリハリ消費|“高いか激安か”二極化時代のブランド戦略

Z世代の財布は、ケチでも浪費家でもありません。日用品は一円単位で切り詰めるのに、好きなものには驚くほど払います。この極端な使い分けを象徴するのが、dupeという言葉です。
まずは日本では耳慣れないこの言葉の意味と背景を押さえたうえで、二極化する消費の正体と、ブランドの選ばれ方の変化を読み解いていきます。

まず「dupe(デュープ)」とは何か

dupeは、英語のduplicate(複製)を略した言葉です。人気ブランド品の見た目や使い心地をまねた、安価な代替品を指します。2020年代の前半にアメリカのTikTokでハッシュタグとして広まり、高い本物の代わりに賢く安い類似品を見つけて共有する文化として定着しました。
日本のプチプラや似てるコスメに近い感覚ですが、隠すどころか堂々と公言して楽しむ点が大きく違います。安物買いを恥じるのではなく、賢い選択として誇る。そこにZ世代らしさがあらわれています。

私たちはこの言葉を、単なる節約術ではなく価値観の表明と見ています。dupeを選ぶ行為には、ブランドの言い値をうのみにしないという、静かな批評精神が含まれているからです。高ければ良いという前提が、もはや通用しなくなっているのです。

dupeはどんな場面で起きやすいか

dupeは、どんな商品でも一様に起きるわけではありません。狙われやすいのは、機能や効果が数字や口コミで比べやすい領域です。コスメやスキンケア、定番のアパレル、ガジェットの周辺品などが典型です。
逆に、体験そのものや、その場でしか得られない価値を持つものは、dupeに置き換えられにくい傾向があります。つまり、価値が目に見えて比べられる商品ほど、安い代替に流れやすいということです。

  • コスメやスキンケアなど、効果を比べやすいもの
  • 定番デザインのアパレルや雑貨
  • 機能で語れるガジェットの周辺品

Z世代は「全部節約」でも「全部贅沢」でもない

コンサルティング会社PwCがアメリカで行った分析では、Z世代の73%が日用品で節約し、浮いたお金を経験や上質な耐久財に回していました。すべてを切り詰めるのではなく、価値を感じる対象を選んで使う。メリハリ型の消費です。
節約と贅沢は、彼らの中では矛盾しません。むしろ、どこで締めてどこで緩めるかの判断こそが、Z世代の消費の腕の見せどころになっています。安く済ませた話も、奮発した話も、どちらも誇らしく語られます。

dupeとヴィンテージが当たり前の選択肢に

アメリカのMorning Consultの調査では、休暇シーズンにdupeを買う予定のZ世代が8割を超え、ヴィンテージやアップサイクル品を選ぶ人も6割に達しました。安い代替品や中古を選ぶことに、もはや後ろめたさはありません。
価値が一瞬で伝わらなければ、彼らはためらわず安い選択肢へ移ります。ブランド側にとっては、選ばれ続けるためのハードルが一段上がったということです。

行動割合対象
dupeを買う予定8割超米国(Morning Consult)
ヴィンテージ等を選ぶ6割米国(Morning Consult)
日用品で節約し経験に回す73%米国(PwC)

いちばん売れないのは“中途半端”な商品

高くても納得できる本物か、割り切れる激安のdupeか。Z世代の目線では、その中間にある、価格も価値もはっきりしない商品がもっとも選ばれにくくなります。
かつて売れ筋だった、そこそこの価格でそこそこ良い、という立ち位置が、いま最も危うい場所になりました。二極化は、真ん中を狙ってきた商品にとって、静かな逆風として効いてきます。中価格帯のブランドほど、立ち位置の問い直しを迫られています。

ブランド忠誠より「大義」への共感で選ぶ

Z世代は、価格、品質、サステナビリティ、企業の価値観、話題にできるかという5つの物差しで買い物を見ています。特定のブランドに義理立てするより、その企業がどんな立場を取るかへの共感で動きます。行動経済学の観点でも、共感や物語が価格の壁を越えさせる場面が増えています。ブランド戦略の組み立て直しが避けられません。

  • 価格に見合う品質の客観的な根拠
  • 環境や社会への姿勢
  • 共感できる価値観や物語
  • 友だちに話したくなる話題性

逆に言えば、これらの言い訳をこちらから差し出せれば、Z世代の財布は開きます。安さで勝負するのではなく、払う理由を用意する発想への転換が求められます。

日本のZ世代に当てはめるには定性調査で確かめる

ここまではアメリカのデータが中心です。同じ傾向が日本のZ世代にそのまま当てはまるとは限りません。物価も流通も、似てるコスメへの抵抗感も、国によって違うからです。海外の知見をそのまま持ち込むと、きれいな誤解になりかねません。

大切なのは、海外の潮流を出発点にしつつ、最後は日本の生活者で確かめることです。なぜdupeを選び、何になら惜しまず払うのか。その線引きの理由は、アンケートの数字を眺めるだけでは見えてきません。一人ひとりの言葉を丁寧に聞く定性調査でこそ、財布が開く瞬間の正体がつかめます。

リサートは、こうした消費者インサイトを掘り起こし、Z世代に選ばれる商品やブランドづくりまで伴走します。二極化する財布にどう向き合うか迷ったら、まずは気軽にご相談ください。世代の大きな流れと、目の前の生活者の本音。その両方を行き来しながら、確かな打ち手へとつないでいきます。

出典 PwC Gen Z Consumer Trends 2025(米国)/ Morning Consult 2025(米国)/ NIQ Spend Z(世界)

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よくある質問

dupe(デュープ)とは何ですか?

人気ブランド品の見た目や機能をまねた安価な代替品です。英語のduplicateの略で、米国のTikTokから広まりました。安さを賢い選択として公言して楽しむ点が特徴です。

Z世代はなぜ高い物と激安品を同時に買うのですか?

価値を感じる対象には惜しまず、それ以外は徹底して節約するメリハリ消費のためです。中間の中途半端な価格帯が最も選ばれにくくなります。

ブランドはどう選ばれますか?

価格、品質、サステナビリティ、企業の価値観、話題性の5つで評価されます。ブランドへの忠誠より、姿勢への共感が購入理由になりやすいです。

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この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス 代表取締役

リサート所属モデレーター。外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。

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出典:インタビュールーム株式会社(リサート)
https://researto.com/column/gen-z-dupe-high-low-spending/

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