節約を声高に語りながら、後払いで買う。Z世代のお金との付き合い方は、上の世代の常識とずれています。
まずは、その鍵になる3つの言葉を押さえましょう。どれも日本ではまだ耳慣れないものですが、Z世代の購買心理を読み解く入り口になります。
まず「BNPL」「ラウドバジェット」「finfluencer」とは
BNPLは、Buy Now Pay Laterの略で、後払い決済のことです。KlarnaやAfterpayといったサービスが2010年代後半のアメリカで普及し、分割払いを手数料なしの手軽さで使える点が支持されました。
ラウドバジェットは、loud budgetingの訳で、2024年の初めにアメリカのSNSから広まった考え方です。節約や予算をあえて周囲に公言し、我慢を恥じるのではなく賢さとして共有します。
finfluencerは、finance(金融)とinfluencer(影響力のある発信者)を組み合わせた造語で、SNSでお金や投資の助言を発信する個人を指します。
この3つに共通するのは、お金の話を隠さず、オープンに扱うという姿勢です。家計はかつて内緒ごとでしたが、Z世代はそれを共有し、学び合う対象に変えました。お金のリテラシーが、友だち同士の会話やSNSの中で育っていく時代になったのです。
後払いが日常の決済に、でも遅延も増える
アメリカのLendingTreeの調査では、Z世代の59%が後払いサービスを使い、利用者の57%が支払いの遅延を経験していました。利用は2020年から2023年で180%も増えています。
手軽さの裏で、見えない借金が積み上がりやすい構造です。今すぐ欲しいを叶える仕組みが、将来の自分の首を絞めかねない。光と影が同居しています。企業にとっては、購入のハードルを下げる一方で、顧客の信用リスクとどう向き合うかという宿題も生みます。
| 指標 | 状況 | 対象 |
|---|---|---|
| BNPL利用 | 59% | 米国(LendingTree) |
| 支払い遅延の経験 | 利用者の57% | 米国(LendingTree) |
| BNPL利用の伸び | 3年で180%増 | 米国(LendingTree) |
節約を公言する「ラウドバジェット」
ラウドバジェットの広がりは、節約のイメージを塗り替えました。お金がないから行けない、ではなく、今月は予算オーバーだから行かない、と堂々と言う。我慢が、自己管理の証へと意味を変えたのです。
マーケティングの視点で読むと、これは安さを後ろめたく感じさせない打ち出しが効くということでもあります。割引や節約を、惨めさではなく賢さの物語として届けられるかが分かれ目になります。
お金の先生はTikTokのfinfluencer
Z世代のマネー観は、finfluencerの発信に大きく形づくられています。ただし注意も要ります。世界の金融専門家団体CFA Instituteの調べでは、投資の推奨を含む投稿で何らかの開示があったのは2割ほどでした。
身近で分かりやすい発信ほど信じられやすい一方、利害が見えないまま広がる危うさも抱えています。行動経済学から見ると、親しみやすさが判断をゆがめる典型です。発信者の人柄や共感が、情報の正確さより先に効いてしまうのです。
早くから投資し、デジタルウォレットを使いこなす
お金への向き合い方は、消費だけにとどまりません。米国では、20代前半のうちから投資に踏み出す若者が増え、環境や社会に配慮した投資先を選ぶ動きも目立ちます。決済の主役も、現金やカードからスマホのデジタルウォレットへと移りました。
お金を、ためる対象であると同時に、育てる対象、そして語り合う話題として扱う。Z世代のお金観は、上の世代より一段デジタルで、開かれています。
数字の裏にある不安を考える
後払いも、節約の公言も、早くからの投資も、根っこには将来への強い不安があります。お金を賢く扱いたいという前向きな姿勢と、そうせざるを得ない切実さは、表裏一体です。
私たちは、Z世代のお金の行動を、節約志向という一言で片づけないようにしています。その裏にある不安や価値観まで読まないと、響く打ち手にはつながらないからです。
日本のZ世代の金銭感覚を定性調査で確かめる
ここで紹介したのは主にアメリカの状況です。日本のZ世代が同じように後払いを使い、同じ理由で節約を語るとは限りません。決済の習慣も、お金を語ることへの抵抗感も、国によって大きく違います。
だからこそ、海外の潮流を押さえたうえで、日本の生活者に直接あたって確かめることが欠かせません。何にお金を使い、何を我慢し、なぜそうするのか。その本音は定性調査でこそ立ち上がります。消費者インサイトを起点に、Z世代に響くお金まわりの設計まで、リサートが伴走します。気になることがあれば、気軽にご相談ください。
出典 LendingTree(Fortune 2026・米国)/ CFA Institute(世界)/ MoneyFit・YouGov 2025(米国)
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よくある質問
BNPLとは何ですか?
Buy Now Pay Laterの略で後払い決済のことです。米国の調査ではZ世代の59%が利用する一方、利用者の57%が支払い遅延を経験しています。
ラウドバジェットとは何ですか?
2024年に米国のSNSから広まった、節約や予算を周囲に公言する考え方です。我慢を恥じず、賢い自己管理として共有します。
finfluencerの情報は信頼できますか?
finance と influencer の造語で、お金の助言を発信する個人です。投資推奨に開示があるのは2割という調査もあり、利害を確かめずに鵜呑みにするのは危険です。
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