求められるのはステルス値上げからオープン値上げへ。気づいた人の本音は諦めが約3割、それでも約6割は、知らせてくれれば受け入れられる側?

求められるのはステルス値上げからオープン値上げへ。気づいた人の本音は諦めが約3割、それでも約6割は、知らせてくれれば受け入れられる側?

マーケティングリサーチ会社「リサート」では、旬のトレンドや話題の出来事を調査しています。2026年9月は食品主要195社による飲食料品の値上げが4,923品目にのぼります(帝国データバンク調べ)。一方で、値段は据え置いたまま内容量を減らす「ステルス値上げ」もたびたび話題になっています。そこで同月、全国在住の20〜59歳の男女800名を対象に「ステルス値上げ本音調査」を実施しました。本記事では、価格の変更を知らせたうえで行う値上げを、ステルス値上げの対義語として「オープン値上げ」と名付けました。

調査サマリー

物価高騰が続く中、ステルス値上げについて生活者はどう思っているのか。その本音を探るため、気づき・気持ち・値上げへの受け止め方・買い物での行動・そして値上げが避けられない場合の望みを聞きました。「ステルス値上げ」にこの1年で自分で気づいた人は半数を超えます。気づいた時の本音として最も多かったのは「諦め」で、およそ3人に1人にのぼります。

ただし諦めは無関心ではありませんでした。気づいた人の6割は、「知らせたうえでの値上げ」、つまり「オープン値上げ」なら受け入れられる側でした。買い物では、「ステルス値上げ」に気づいた時には、商品ごとに買うかどうかを決める「選別買い」が最も多く、すでに購入をやめた人と購入を減らしたい・やめたい人を合わせた数を上回りました。さらに、値上げが避けられない場合には、「ステルス値上げ」に気づいた人では、値段を据え置いて量が減るよりも、量を減らさず値段を上げてほしい人のほうが多くなりました。

気づいた人の多くが拒んでいたのは、値上げそのものではなく、知らされないまま量が減ること。これが今回の調査から見えてきました。企業にとっては、「ステルス値上げ」を続けるのか、「オープン値上げ」に切り替えるのかが問われます。気づいた人に受け入れられやすいのは、知らせたうえで行う「オープン値上げ」のほうだと考えられます。

ステルス値上げに自分で気づいた人は55%。女性は年代が上がるほど高く50代では78%

直近1年の間に「ステルス値上げ」に気づいたことがあるかを聞くと、自分で気づいた人は半数を超えました。何度も気づいたという人だけでも全体の3割を超えます。

性年代別に見ると、女性は20代の3割弱から50代の8割近くまで、年代が上がるほど気づいた人が増えていきます。一方、男性は年代を問わず5〜7割の間に収まっています。

直近1年でステルス値上げに気づいたか(性年代別)

ステルス値上げに気づいた時の本音は諦め約34%が最多。何とも思わない人は約3%

気づいた時の気持ちに最も近いものを1つ選んでもらうと、一番多かったのは「またか」という諦め・虚しさでした。「特に何とも思わない」と答えた人はわずか2.7%でした。諦めにショックや悲しさ、騙された気分、怒りを合わせたネガティブな気持ちは8割を超えます。ただし、怒りを選んだ人は1割に満たない結果でした。

ステルス値上げに気づいた時の気持ち

ステルス値上げに気づいた人の62%は知らせてくれれば受け入れられる。諦めを選んだ人でも67%

値上げや内容量の変更への考えを聞くと、告知の有無にかかわらず受け入れがたいという人は1割台半ばにとどまりました。企業にも事情があるので仕方ないという人は約2割でした。回答が最も集まったのは、「値上げ自体は仕方ないが知らせずに量を減らすやり方は受け入れがたい」という考えでした。この人たちと、きちんと知らせてくれれば受け入れられるという人は、どちらも、「知らせるかどうか」に触れた考えです。両者を合わせると6割を超えます。受け入れられるかどうかを分けているのは、値上げそのものよりも、知らせてくれるかどうかのようです。

気づいた時に諦めを選んだ人に限っても6割台で、この傾向は変わりませんでした。諦めを選んだ人で、値上げや量の変化を特に気にしていないと答えた人は1人もいません。

値上げや内容量の変更への考え(気づいた人全体と諦めを選んだ人)

ステルス値上げに気づいた人の47%は商品ごとに選び直す選別買い。変わらず買い続けているのは13%

ステルス値上げに気づいた商品についての行動について聞くと、最も多かったのは、値段や量を見ながら商品ごとに買うかどうかを決めているという「選別買い」の行動でした。ステルス値上げに気が付いても特に変わらず買い続けている人は1割強でした。すでにやめた人と減らしたい・やめたい人を合わせても3割台後半で、やめた・やめたい人より、商品ごとに買うかどうかを決める選別買いの人のほうが多くなっています。

ステルス値上げに気づいた商品についての行動

ステルス値上げに気づいた人の43%は量を減らさず値上げしてほしい派。値段据え置きで減量派は20%

値上げが避けられない場合に量か値段、どちらを望むかを聞きました。気づいた人を含む回答者全員では、「量を減らさず値上げしてほしい派」、「値段据え置きで減量派」、「どちらともいえない派」が、いずれも3割台で並びます。ステルス値上げに気づいた人に限ると、「どちらともいえない派」も3割台半ばいる一方で、「量を減らさず値上げしてほしい派」が4割を超え、「値段据え置きで減量派」の2倍を超えます。

値上げが避けられない場合に望むこと(気づいた人と回答者全員)

まとめ

ステルス値上げに気づいた人の本音として最も多かったのは「諦め」でした。しかしその諦めは無関心ではなく、多くは値上げそのものを拒む気持ちでもありません。知らせてくれれば受け入れる、知らされずに減らされるのは受け入れがたい。問われているのは値上げの是非より、変更をどう伝えるかだと言えそうです。

企業の側から見ると、今回の結果は3つの気づきになるのではないでしょうか?

第一に、ステルス値上げは多くの方が気づいている。

第二に、気づかれたときの反応は怒りより諦め。気づいた人の半数近くは、商品ごとに買うかどうかを決めています。反応は買うのをやめるより、「選別買い」という形で商品の強さによって変わるので、一概に「ステルス値上げ」による離反が分かりにくいこと。ただし、商品に関わらずすでに買うのをやめたり、別の商品に変えた人も2割近くいることも前提に考えなければいけません。

第三に、「ステルス値上げ」に気づいた人の6割は、「オープン値上げ」なら受け入れられる側。値上げが避けられない場合も、気づいた人では「量を減らさず値上げしてほしい派」が、「値段据え置きで減量派」の2倍を超えました。つまり求められてるのは告知をすることなど「オープン値上げ」。変更を隠さずに伝えることは、価格改定の選択肢になり得るのではないでしょうか。

調査概要

調査名ステルス値上げ本音調査
調査手法インターネットでのアンケート調査
配信パネルFreeasy
調査期間2026年9月14日
調査対象全国在住、20〜59歳 男女
有効回答800サンプル(男女各400名・年代均等割付)
調査主体リサート(インタビュールーム株式会社)
  • 小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
  • 本調査では市場の性年代構成比にあわせた集計(ウエイトバック集計)は行っていません。

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よくある質問

ステルス値上げとは何ですか。生活者はどれくらい気づいていますか。

ステルス値上げとは、値段は据え置いたまま内容量を減らすことです。全国の20〜59歳の男女800名への調査で、直近1年の間にステルス値上げに自分で気づいた人は55%でした。女性は年代が上がるほど気づいた人が多く、20代の3割弱に対し50代では78%に達します。男性は年代を問わず5〜7割でした。

ステルス値上げに気づいた時、生活者はどんな気持ちになりますか。

全国の20〜59歳の男女800名への調査で、ステルス値上げに自分で気づいた人に、気づいた時の気持ちに最も近いものを1つ選んでもらうと、最も多かったのは「またか」という諦め・虚しさで約34%でした。「特に何とも思わない」は2.7%にとどまり、諦め、ショック、悲しさ、騙された気分、怒りを合わせたネガティブな気持ちは8割を超えます。ただし、怒りを選んだ人は1割に満たない結果でした。

ステルス値上げに気づいた人は、知らせたうえでの値上げをどう受け止めていますか。

全国の20〜59歳の男女800名への調査で、ステルス値上げに自分で気づいた人の62%は、知らせたうえでの値上げなら受け入れられる側でした。内訳は、「きちんと知らせてくれれば、値上げや量の変更は受け入れられる」か「値上げ自体は仕方ないが、知らせずに量を減らすやり方は受け入れがたい」のどちらかを選んだ人です。この2つのうち、量の変更まで受け入れると答えているのは前者です。企業にも事情があるので仕方ないという人は約2割、告知の有無にかかわらず受け入れがたいという人は1割台半ばでした。

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出典:インタビュールーム株式会社(リサート)
https://researto.com/column/survey-stealth-price-increase-202609/

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この記事を書いた人

ひろ
ひろ | マーケター

元通販マーケター。年間売上100億円の枕、10億円の杖など数々のヒット商品のマーケティングを手がける。データと感情を掛け合わせた生活者理解をモットーに、SNSでマーケティング事例を日々発信。インサイト図鑑への寄稿など、実務知見の発信を得意とする。

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