マーケティングリサーチ会社「リサート」では、旬のトレンドや話題の出来事を調査しています。2026年10月1日、ビールと発泡酒・新ジャンル(第3のビール)の酒税が、350ml缶1本あたり54.25円にそろいました。改正前に16.36円あった税の差はゼロになりました。では、ふだん発泡酒・新ジャンルを買う人は、ビールに移ったのでしょうか。そこで、施行から約2週間の時点で、自宅でビール類を週1日以上飲み、9月に発泡酒・新ジャンルを買った全国の20〜69歳535人に聞きました。
調査サマリー
- 「売り場の価格差が20円以内ならビールを選ぶ」は59%。10円以内なら77%、30円以内では40%
- 9月に「値上がり前に多めに買った」は51%。そのうち約7割は「まだ残っている」
- 施行後に「一部またはすべてをビールにした」は19%。「11月以降はビールに替えるつもり」は39%
- 値段が「下がった」と感じた人は、家で飲む缶ビールで24%、飲食店の生ビールでは7%
価格差がいくらなら、ビールを選ぶのか
税の差がなくなっても、売り場の価格差はすぐにはゼロになりません。価格差がいくら以内なら、発泡酒・新ジャンルの代わりにビールを選ぶかを聞きました。

「ビールを選ぶ」が半数を超えるのは価格差20円以内までで、30円以内では40%、10円以内なら4人に3人でした。
「価格差に関係なく発泡酒・新ジャンルを選ぶ」と答えた人(41人)に理由を聞くと(複数回答)、「今の商品の味が好き・飲み慣れている」が20人(49%)で最も多く、「糖質を抑えたい」14人(34%)、「プリン体を抑えたい」13人(32%)が続きました。糖質・プリン体・カロリーのどれかを挙げた人は15人(37%)で、値段ではなく、体への気づかいで選んでいる人も一定数います。人数が少ないため、参考値として見てください。

9月は半数が“買いだめ”、まだ手元に残っている
10月1日から、発泡酒・新ジャンルは1本あたり7.26円、缶チューハイなどは7円の増税でした。9月の買い方で、酒税の変更を意識したことがあったかを聞きました。

値上がり前に多めに買った人は51%にのぼり、その約7割は調査時点でも「まだ残っている」と答えました。値下がりするビールの購入を10月まで待った人も8%いました。
「11月以降ビールに替えるつもり」は、買いだめをすでに飲み終えた人では59%、まだ残っている人では35%でした。買いだめが残っている間は動きが表に出にくく、11月以降に変化が見えてくる可能性があります。

施行から約2週間、実際にビールにしたのは2割弱

10月に入ってから「一部またはすべてをビールにした」人は19%でした。一方で「10月はまだ買っていない(9月に買った分がある)」が17%あり、買い置きを飲み終えた後の動きはまだ表れていません。11月以降については、39%が「ビールに替えるつもり」と答えています。
値札の変化は、家と飲食店で違って見えている

発泡酒・新ジャンルは約半数(51%)が「上がった」と感じた一方、ビールが「下がった」と感じた人は24%でした。飲食店ではさらに少なく、10月に飲食店で生ビールを飲んだ人のうち「下がった」は7%で、「上がった」(20%)のほうが多くなりました。

缶チューハイからノンアルへの乗り換えは、ほとんど見られない
10月から1本あたり7円増税された缶チューハイなどと、酒税がかからないノンアルコールのビールテイスト飲料についても、対象者を選ぶためのスクリーニング調査(全国20〜69歳7,000人、10月9日)で、10月1日以降の購入量を聞きました。9月は値上がり前の買いだめで量がふくらむため、8月までと比べて聞いています。

全体では、缶チューハイなどは「減った」14%が「増えた」7%を上回りました。ノンアルも「減った」14%、「増えた」9%で、増税された缶チューハイの代わりにノンアルを増やす動きは見えません。
缶チューハイなどが「減った」人(479人)に絞っても、ノンアルが「増えた」人は14人(3%)だけでした。218人(46%)はノンアルも「減った」と答えており、ほかの飲み物に乗り換えるより、お酒の買う量そのものを減らした人が多いようです。
一方、本記事の対象者と同じ、発泡酒・新ジャンルを週1日以上飲んで9月にも買った人に絞ると、缶チューハイなどは「増えた」14%・「減った」10%、ノンアルは「増えた」16%・「減った」8%で、全体とは逆に「増えた」が上回りました。また全体を年代別に見ると、ノンアルが「増えた」は20代で17%、60代で2%と、若い年代ほど高くなっています。なお、缶チューハイなどを買う人の29%は調査時点で「10月はまだ買っていない」と答えており、10月の動きはまだ途中です。
ビールが「下がった」と感じた人は、38%がビールにしていた
10月の売り場や通販でビールの値段をどう感じたかで分けると、「下がった」と感じた人は38%が、10月に一部またはすべてをビールにしていました。「変わらない」と感じた人では13%で、約3倍の差です。

ただし、ビールを買ったから値段の変化に気づいた、という逆の向きも考えられます。値段の変化に気づくことと、ビールにすることが結びついている、というところまでが今回の結果から言えることです。
年代による差は小さい

「11月以降ビールに替えるつもり」も、20〜30代43%、40代41%、50代32%、60代41%で、年代による大きな差は見られませんでした。
リサーチャーの視点:施行直後の数字の読み方
「価格差20円以内ならビール」は約6割ですが、売り場の価格差がそれより大きい間は、税の差がなくなっても、ビールに移る人は限られると考えられます。また、9月に多めに買った分がまだ残っている人が全体の35%いて、施行から約2週間の数字には、前の月の買いだめの影響が残っています。施行直後の数字は前の月の買いだめと合わせて読み、買い置きが一巡した後の動きを確かめる必要があります。
次回予告:買い置きが一巡した11月に、同じ方々にもう一度聞きます。「11月以降はビールに替えるつもり」だった39%のうち、実際に替えた人は何%か。売り場の価格差の変化とあわせてお伝えします。
まとめ
税の差はゼロになりましたが、「ビールを選ぶ」が半数を超えるのは売り場の価格差が20円以内のときでした。9月の買い置きがまだ残っている人も多く、本当の動きが見えるのは11月以降になりそうです。
調査概要
| 調査名 | 酒税改正後のビール類の買い方に関する調査 |
| 調査手法 | インターネットでのアンケート調査 |
| 配信パネル | Freeasyを利用した調査 |
| 調査期間 | スクリーニング調査:2026年10月9日 本調査:2026年10月13日〜14日(施行から約2週間) |
| 調査対象 | 全国在住、20〜69歳男女のうち、自宅でビールか発泡酒・新ジャンルを週1日以上飲み、2026年9月に発泡酒・新ジャンルを自宅用に買った人 (酒類のメーカー・卸、酒店の仕事をしている人とその家族は除く) |
| 有効回答 | スクリーニング調査:7,000サンプル(性・年代を人口構成比で割付) 本調査:535サンプル(20代95・30代110・40代110・50代110・60代110) |
| 調査主体 | リサート(インタビュールーム株式会社) |
- 本文・図の数値は小数点以下第1位を四捨五入した整数で表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
- 全体の数値は、スクリーニング調査で対象条件に合った人の性・年代構成に合わせて集計(ウエイトバック集計)しています。
- 施行から約2週間の時点の結果で、10月1か月分ではありません。
- 価格差でビールを選ぶか、11月以降の予定は意向です。
- 税額の変化は、売り場の価格の変化と一致しません。
- 一部の商品が中身をビールにして発売されており(「金麦」は10月6日から)、同じ商品を買い続けた人がビールを買ったと答えている場合があります。
- インターネット調査のモニターが対象で、無作為に選んだ標本ではありません。
- 今回の調査は因果関係を検証したものではありません。
出典:Insight Journal調べ。転載の際は出典の明記と本記事へのリンクをお願いします。
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よくある質問
酒税改正の後、発泡酒・新ジャンルを買う人はビールに移りましたか。
リサートが2026年10月13日〜14日に、9月に発泡酒・新ジャンルを買った全国の20〜69歳535人に行った調査で、10月に入ってから一部またはすべてをビールにした人は19%でした。「10月はまだ買っていない(9月に買った分がある)」が17%あり、11月以降については39%が「ビールに替えるつもり」と答えています。
ビールと発泡酒・新ジャンルの価格差がいくらなら、ビールが選ばれますか。
同じ調査で、売り場の価格差が20円以内ならビールを選ぶと答えた人は59%、10円以内なら77%、30円以内では40%でした。「価格差に関係なく発泡酒・新ジャンルを選ぶ」は8%です。いずれも意向で、実際の購買ではありません。
酒税改正の前に、発泡酒・新ジャンルを買いだめした人はどれくらいいますか。
同じ調査で、9月に「値上がり前に多めに買った」人は51%で、そのうち約7割は調査時点(10月中旬)でも「まだ残っている」と答えました。全体の35%にあたります。
お酒は20歳になってから。
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出典:Insight Journal https://researto.com/column/survey-beer-tax-unification-202610/
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