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業界別マーケティングリサーチ|食品・化粧品・BtoBで変わる調査の勘所

業界別マーケティングリサーチ|食品・化粧品・BtoBで変わる調査の勘所

同じインタビューでも、聞く相手が変われば、聞き方も変わります。お菓子を選ぶ理由と、工場の設備を選ぶ理由では、心の動き方がまるで違うからです。業界の数だけ、調査の勘所があります。
どの業界にも効く万能の型はありません。年間100件を超える調査でさまざまな業界に関わってきた立場から、業界ごとに何が違い、どこに気をつけるかを整理します。

なぜ業界で調査は変わるのか

業界が違えば、買う人も、選ぶ理由も、決め方も違います。
毎日のように何気なく買うものもあれば、一生に数回しか買わないものもある。一人で決めるものもあれば、何人もの承認がいるものもある。値段の桁も、検討にかける時間も、まるで別世界です。
だから、調査の手法や聞き方は、業界に合わせて変える必要があります。マーケティングリサーチの基本は共通でも、当てはめ方は業界ごとに調整する。その勘所を、主な業界ごとに見ていきます。

食品・飲料|習慣と無意識を読む

食品や飲料は、買う頻度が高く、一つひとつの選択に理屈が少ないのが特徴です。
多くの人は、なぜそれを選んだかを言葉にできません。いつものものを、なんとなく手に取る。だからこそ、買った理由を後から聞くだけでは足りず、買う瞬間の行動や、食べる場面そのものを観察する手法が効きます。
味の評価では、頭で考えた答えと、口にしたときの反応がずれることもよくあります。言葉だけに頼らず、実際に試してもらう場をつくることが、食品調査の勘所です。

化粧品・美容|なりたい自分を掘る

化粧品は、成分や効果だけで選ばれているわけではありません。
その奥には、こうなりたい、こう見られたいという気持ちがあります。同じ商品でも、自信を持ちたい人と、隠したい悩みがある人では、選ぶ意味が変わる。表面の機能の話だけでは、本当の動機にたどり着けません。
だから美容の調査では、見た目への思いや、自分との向き合い方といった、深い部分まで掘る定性調査が力を発揮します。語りにくい本音を、安心して話せる場づくりが鍵になります。

日用品・トイレタリー|不満は語られない

洗剤や掃除用品のような日用品は、あって当たり前で、ふだん意識されません。
満足も不満も、わざわざ言葉にされない。困っていますかと聞いても、別にと返ってくる。けれど実際の使い方を見ると、本人も気づいていない小さな不便がいくつも見つかります。
こうした業界では、聞くより見るほうが早い。家を訪ねて使う様子を観察したり、しまってある場所を見せてもらったりすると、語られない不満が姿を現します。

自動車・耐久財|長い検討を追う

車や家電のような高額な耐久財は、検討の期間が長いのが特徴です。
何か月も悩み、家族と相談し、何度も比べてから決める。だから、買った瞬間だけを切り取っても、決め手は見えません。気になり始めてから決めるまでの、長い心の旅をたどる必要があります。
一人で決めないのも特徴です。家族の誰がどう関わったか、誰のひと言が効いたか。検討の道のり全体を描くことが、耐久財の調査では欠かせません。

BtoB|決めるのは一人ではない

企業向けのビジネスでは、買う理由が個人の好みではなく、組織の論理で動きます。
使う人、選ぶ人、決裁する人が、それぞれ別にいる。現場は使いやすさを、上司は費用対効果を、経営は実績や安心を見る。立場ごとに見ているものが違うため、誰に何を聞くかの設計が、結果を大きく左右します。
対象者の数は消費財より少なく、一人ひとりの話が重い。少数を深く聞くBtoBならではの進め方は、BtoBリサーチの記事で詳しく扱っています。

金融・保険|建前の奥にある不安

金融や保険は、お金という語りにくいテーマを扱います。
収入や貯蓄、将来の不安は、初対面の相手にはなかなか正直に話せません。聞き方を間違えると、当たり障りのない建前しか返ってきません。安心して本音を話せる空気をつくれるかどうかで、得られるものが変わります。
商品そのものが目に見えないのも難しさです。何を買っているのか実感しにくいぶん、選ぶときの不安や、信頼の置きどころを丁寧にたどる必要があります。

製薬・ヘルスケア|事実とルールの両立

医療や製薬の分野は、扱うテーマが命や健康に関わるため、慎重さが求められます。
患者や医療者の話には、デリケートな事情が含まれます。聞くこと自体への配慮はもちろん、業界ならではの規制やルールを守ることも欠かせません。誘導につながる聞き方は、結果を歪めるだけでなく、信頼も損ないます。
事実を正確につかむことと、相手の心情やルールに配慮すること。その両立が、ヘルスケア調査の難しさであり、勘所です。

小売・流通|売場に答えがある

小売や流通では、買い物の現場そのものが調査の舞台になります。
どの棚で立ち止まり、何を手に取り、何を戻したか。店内の動きには、アンケートでは出てこない本音が表れます。買った後に理由を聞くより、買っている最中を観察するほうが、はるかに多くを語ります。
ネットの売場も同じです。検索結果や一覧画面でどう選ぶかは、店頭とは別の動きをします。リアルとデジタル、両方の売場を見ることが、いまの小売調査には求められます。

業界をまたいで共通する勘所

  • 言葉にされる理由を鵜呑みにせず、行動や場面まで見る
  • 誰が買い、誰が使い、誰が決めるかを切り分ける
  • 頻度や金額の桁に合わせて、検討の深さに踏み込む
  • 語りにくいテーマほど、安心して話せる場をつくる

業界ごとに勘所は違っても、根っこは一つです。
人が、なぜそう動くのかを、思い込みではなく事実から理解する。その姿勢さえぶれなければ、どの業界でも調査は力を持ちます。

リサートの業界別の調査

リサートは、食品から化粧品、日用品、耐久財、BtoBまで、さまざまな業界の調査を支援してきました。
業界が変われば、聞く相手も、勘所も変わります。自社の業界では、どんな調査が効くのか。手探りで進める前に、まずは課題の整理からご相談ください。

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よくある質問

業界によって調査方法は変えるべきですか?

変えるべきです。買う頻度、金額、決める人の数が業界で大きく違うためです。食品は買う瞬間の観察、化粧品は深い動機の聞き取り、BtoBは立場ごとの設計、というように手法も聞き方も業界に合わせて調整します。

BtoBの調査が消費財と違うのはなぜですか?

BtoBは個人の好みではなく組織の論理で決まり、使う人・選ぶ人・決裁する人が別にいるためです。立場ごとに見ているものが違うので、誰に何を聞くかの設計が結果を左右します。対象者は少数で、一人ひとりの話が重くなります。

日用品のように不満が出にくい業界はどう調べますか?

聞くより見るのが近道です。あって当たり前のものは満足も不満も語られません。家を訪ねて使う様子を観察したり、しまい場所を見せてもらうと、本人も気づいていない小さな不便が見つかります。

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この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス 代表取締役

リサート所属モデレーター。外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。

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