中古マンションの決め手1位は価格、後悔1位は間取りをどう読むか

中古マンションを買った人が購入時に重視したことの1位は「物件価格」、購入後の後悔でいちばん多い項目は「広さ・間取り」でした。コスモスイニシア(大和ハウスグループ)が2026年10月5日に公表した、首都圏の1,000人への調査です。「価格より暮らしの中身で選ぶべき」という読み方は分かりやすい一方、数字を引用する前に確かめておきたい点がいくつかあります。

調査の要点

  1. 購入時に重視したのは「物件価格」が最多:購入者に複数回答でたずねると「物件価格」45.6%、「広さ・間取り」42.4%、「交通利便性」40.0%の順(n=500)。いちばん重視する1つを選ぶ設問でも「物件価格」が18.2%で1位だった(検討者と購入者の合計、n=1,000)。
  2. 購入後の後悔は「広さ・間取り」が最多、ただし3人に1人は後悔なし:「特に後悔はない」が33.0%で最も多く、項目では「広さ・間取り」14.4%、「交通利便性」12.6%、「生活利便性」11.8%、「管理状態・共用部の状態」11.6%と続く。「物件価格」は9.0%だった(n=500、複数回答)。
  3. 金利上昇・価格高騰で「慎重になった」が4割:全体で見ると「以前より慎重・保守的になった」40.6%が「以前より早めに動くようになった」28.5%を上回った(n=1,000)。世帯年収2,000万円以上の層では、この2つの大小が逆になった。
中古マンション購入者が重視したことと後悔していること(n=500、複数回答)。重視・後悔の順に、物件価格45.6%・9.0%、広さ・間取り42.4%・14.4%、交通利便性40.0%・12.6%、生活利便性37.0%・11.8%、街の雰囲気・住環境29.4%・11.2%、築年数28.0%・9.2%、資産性27.0%・9.0%、管理状態・共用部の状態26.6%・11.6%、リノベーション・内装の状態24.2%・10.8%、自分たちらしい暮らしができるか23.6%・10.0%、月々の返済額21.4%・8.0%、将来の支払いに対する安心感18.8%・9.0%
出典:株式会社コスモスイニシア調べ(グラフはInsight Journal編集部が作成)

リサーチャーはこう読む

こう読む1:同じ「物件価格」に18.2%と45.6%の2つの数字がある

18.2%は「いちばん重視する1つ」を選ぶ単一回答で、まだ買っていない検討者500人を含む1,000人の値です。45.6%は「重視したものをいくつでも」選ぶ複数回答で、購入者500人だけの値です。聞き方も対象も違うので、2つを並べて大小を論じることはできません。社内資料に引くときは「購入者の45.6%が重視(複数回答)」のように、誰に・どう聞いたかを添えると安全です。

こう読む2:「8位から4位へ」は順位より差の幅で見る

リリースは、管理状態・共用部の状態が重視では8位なのに後悔では4位に上がった点に注目しています。ただ、後悔の2位から下は8.0〜12.6%の間に固まっていて、隣り合う順位の差はほとんどが1ポイント未満です。500人に聞いた1割前後の数字は、同じ調査をもう一度行えば上下3ポイントほど動きうる(無作為抽出を前提にした目安)ため、この程度の差では順位が入れ替わってもおかしくありません。「管理状態の後悔が4位」と順位で語るより、「後悔は1位の広さ・間取りを除けば、どの項目も1割前後で横並び」と読むほうが安全です。

また、重視と後悔は別の設問で、後悔の順位は「特に後悔はない」を除いて付けられています。価格は買う前に分かっている条件なので後悔に挙がりにくい、という見方もできます。「重視した人のうち何割が後悔したか」を示すクロス集計があれば、より直接に比べられます。

こう読む3:年収2,000万円以上の「逆転」は人数で確かめる

年収別の結果は、検討者と購入者を合わせた1,000人を年収で分けたものです。2,000万〜3,000万円未満は43人、3,000万円以上は26人しかいません。3,000万円以上で「早めに動く」38.5%と「慎重になった」34.6%の差は、人数にすると10人と9人の1人差です。26人の層では誤差の目安が上下19ポイントほどに広がるため、「高年収層ほど積極的」と言い切るより、傾向の手がかりとして扱うのが手堅い読み方です。同じ層で「管理状態・共用部の状態」を最も重視した15.4%も、26人中4人にあたります。

この調査の設計

  • 対象:一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)在住の20〜69歳の男女。①この2年以内に中古マンションを買った人、②この2年以内に中古マンションの購入を検討した人
  • 人数:1,000人(購入者500人、検討者500人)
  • 期間:2026年8月31日〜9月4日
  • 方法:インターネット調査
  • 調査主体:株式会社コスモスイニシア(大和ハウスグループ)

出典
株式会社コスモスイニシア調べ「中古マンション購入検討者・購入者の価値観と購入行動に関する調査」(2026年10月5日発表、大和ハウス工業株式会社のニュースリリースとして配信)
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002797.000002296.html
株式会社コスモスイニシア:https://www.cigr.co.jp/

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