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定性調査の費用相場はいくら?見積もりの内訳と予算の立て方

定性調査の費用相場はいくら?見積もりの内訳と予算の立て方

同じ「グループインタビュー1回」で見積もりを3社から取ると、金額が2倍以上ちがう。そんな経験をした方は多いはずです。40万円台で出す会社もあれば、100万円を超える会社もあります。
この幅は手抜きでも上乗せでもありません。何にいくらかけるかの組み立てが会社ごとに違うから生まれる差です。内訳を読めるようになると、金額の高い安いに振り回されず、自分の目的に合う調査を設計できます。

定性調査の費用を決める5つの要素

定性調査の費用は、ひとつの大きな料金があるわけではありません。対象者を集めるコスト、話を聞く場のコスト、進行役の人件費、そして記録と分析にかかる手間、これらの合計です。どれかを厚くすれば総額は上がり、削れば下がります。

  • 対象者リクルート費と謝礼(1名あたりの謝礼は90〜120分・交通費込みで7,000〜10,000円が目安)
  • 会場費や配信設備費(マジックミラー付きの部屋か、オンラインかで変わる)
  • モデレーター費(進行役の力量が単価に直結する)
  • 記録費(発言録の書き起こし)
  • 分析・レポート費(示唆まで書くか、事実の整理までかで差が出る)

とくに読みにくいのがリクルート費です。「30代の共働き主婦」なら集めやすく安い。「特定の疾患を持つ人」「経営者」「競合ブランドの現ユーザー」となると、条件が厳しいほど探す手間がかかり、費用は跳ね上がります。同じ定性調査でも、誰に会うかで見積もりの土台が変わると考えてください。

手法別に見る費用の目安

手法が変われば費用の桁も変わります。代表的な2つで相場観をつかんでおきましょう。数字は調査会社各社の公開料金や業界で語られる相場をもとにした目安で、条件次第で上下します。

  • グループインタビュー(4〜6名で90〜120分議論する手法)は1グループ20〜40万円が中心。複数グループで実施するのが通例なので、会場や設備、レポートまで含めると2〜4グループで120万円前後に届くこともあります
  • デプスインタビュー(対象者1名を60〜90分深掘りする手法)は1セッション5〜15万円。数名分をまとめて20〜35万円前後というのが多いレンジです。マクロミルは基本19万円(対象者6名)から、クロス・マーケティングは25万円からを公開しています

金額だけ見るとデプスインタビューのほうが安く映ります。ただし1人ずつ聞くので、10人に会えばセッションも10回。人数が増えるほど積み上がります。多くの声を数で押さえたいなら定量調査と組み合わせ、定性で仮説を立て定量で検証する設計にすると、限られた予算でも判断の精度が上がります。

見積もりの内訳、ここを見る

「調査一式 80万円」とだけ書かれた見積もりは、比べようがありません。総額が同じでも、中身は会社ごとにまったく違います。安く見える見積もりは、謝礼が低く設定されていたり、レポートが箇条書きの事実整理までだったりします。高く見えるほうが、リクルート条件を丁寧に詰めて示唆まで書く前提のこともあります。

見積もりを受け取ったら、リクルート条件が自分の狙いと合っているか、グループ数やセッション数はいくつか、レポートはどこまで書くのかを必ず確認してください。この3点が揃っていれば、金額の差の理由が見えます。

「一番安い見積もりで頼んだら、レポートが事実の羅列だけで、結局こちらで分析し直した」。取材の場でそう振り返る方は少なくありません。

安さ自体は悪くありません。問題は、何が省かれているかを知らずに選ぶことです。自社に分析できる人がいるなら事実整理までの見積もりで十分ですし、そこまで手が回らないなら示唆込みを選ぶ。省かれた部分を誰が引き取るのかを決めてから金額を比べると、失敗が減ります。

予算の立て方は目的から逆算する

予算は「相場だからこのくらい」ではなく、その調査で下す判断の重さから決めます。数億円の新商品投資を左右する調査なら、リクルートを妥協せず複数グループを組む価値があります。社内の議論を前に進めたい程度なら、デプスインタビュー数名で十分なこともあります。

費用を抑えたいときは、会場と進行を分けて考える手があります。会場だけインタビュールームを借りて社内の担当者が進行すれば、モデレーター費は浮きます。慣れないうちは進行だけプロに頼み、会場は自分で押さえるという組み方もできます。全部を一式で頼むより、削れる工程と削れない工程を見極めるほうが、同じ予算で得られる発見は多くなります。

大切なのは、安さで選ばないことでも高さで安心することでもありません。何を知りたくて、その答えにいくら払う価値があるかを先に決める。そこが定まれば、見積もりの数字は怖くなくなります。

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よくある質問

定性調査は最低いくらから頼めますか?

手法によって変わります。対象者1名を深掘りするデプスインタビューなら1セッション5万円ほどから組めることもあり、数名分をまとめて20万円前後が多いレンジです。4〜6名で議論するグループインタビューは会場や設備が加わるため、1グループ20万円台からが目安になります。どこまでリクルート条件を絞るか、レポートをどこまで書くかで下限は動きます。

グループインタビューとデプスインタビューでは、どちらが安いですか?

1回あたりの単価はデプスインタビューのほうが低めです。ただしデプスは1名ずつ聞くため、会いたい人数が増えるとセッション数も増えて積み上がります。少人数の本音を深く掘りたいならデプス、その場の相互作用や意見の広がりを見たいならグループと、目的で選ぶほうが結果的に無駄がありません。

見積もりが会社によって大きく違うのはなぜですか?

総額が同じでも中身の配分が違うためです。対象者への謝礼、リクルート条件の厳しさ、グループ数やセッション数、レポートを事実整理までにするか示唆まで書くかで金額は大きく動きます。安い見積もりは謝礼やレポートが薄いことがあるので、リクルート条件と成果物の粒度を必ず確認して比べてください。

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この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス 代表取締役

リサート所属モデレーター。外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。

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出典:インタビュールーム株式会社(リサート)
https://researto.com/column/qualitative-research-cost-guide/

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