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BtoBマーケティングリサーチとは?BtoCとの違いと調査手法を解説

法人向けの商品やサービスは、買う人と使う人が違ったり、決めるまでに何人もが関わったりします。一人の好みで動く消費者向けとは、調査の勝手がかなり違います。
BtoBのマーケティングリサーチは、この複雑さをほどいて、誰が、何を基準に、どう決めているのかを明らかにする仕事です。
年間100件を超える調査でBtoBの現場にも立ってきた立場から、特徴から手法、進め方までを整理します。

BtoBマーケティングリサーチとは

BtoBマーケティングリサーチとは、法人を相手にした商品やサービスについて、顧客企業のニーズや意思決定を調べることです。
消費者向けのBtoCと同じく、顧客を理解して打ち手を決めるための調査ですが、相手が企業である分、見るべきものが増えます。誰が使い、誰がお金を出し、誰が決裁するのか。一つの取引の裏に、複数の立場と判断基準が絡みます。
その絡まりを解きほぐし、営業や商品開発に効く形にするのが、BtoB調査の役割です。

BtoBとBtoCの調査の違い

  • 対象者。BtoCは生活者個人、BtoBは企業の担当者や決裁者
  • 人数。BtoBは市場が狭く、対象者の数が限られる
  • 判断基準。BtoCは好みや感情、BtoBは費用対効果や社内の合意
  • 検討期間。BtoBは数か月から年単位に及ぶことも多い

とくに大きいのは、買う理由が個人の感情だけでは決まらないことです。
担当者がいいと思っても、上司や経理が首を縦に振らなければ進みません。論理と社内事情の両方を読む必要がある。ここがBtoB調査の難しさであり、面白さでもあります。

BtoB調査が難しい理由

BtoB調査には、独特の難しさがあります。

  • 対象者が忙しく、協力を得るハードルが高い
  • 専門性が高く、聞く側にも業界の知識が要る
  • 本音が、会社の立場や契約の都合で隠れやすい
  • 母数が少なく、定量で傾向を出しにくい

だからこそ、少人数でも深く聞くデプスインタビューの比重が、BtoCより高くなります。
数を集めて傾向を見るより、一人の話を深く掘り、その裏にある会社の事情まで読み解く。BtoBでは、この一件あたりの密度が、調査の質を決めます。

意思決定に関わる人たちを理解する

BtoBでは、買う決定に複数の人が関わります。これを意思決定単位と呼びます。

  • 使う人。現場で実際に使う担当者
  • 選ぶ人。候補を比較し、提案する担当者
  • 決める人。予算を握り、最終決裁する立場
  • 止める人。リスクやコストの面から反対しうる立場

それぞれ、見ているものが違います。使う人は使いやすさを、決める人は費用と効果を重視する。
全員に同じ売り方をしても刺さりません。誰に、どの基準で語りかけるかを変える必要があります。調査では、この立場ごとの基準を一つずつ解きほぐしていきます。

BtoB調査の主な手法

  • デプスインタビュー。担当者や決裁者に一対一で深く聞く
  • 専門家インタビュー。業界に詳しい人から、市場の構造を聞く
  • 顧客満足度調査。既存顧客の評価と、離反の兆しを測る
  • Web調査。一定数の企業担当者から、傾向を数で押さえる

対象が少ないBtoBでは、一件一件のインタビューの密度が、調査の質を大きく左右します。
浅く広くより、狭く深く。これがBtoB調査の基本姿勢です。

BtoBのカスタマージャーニー

BtoBでは、買うまでの道のりが長く、関わる人も多くなります。
課題に気づき、情報を集め、社内で検討し、稟議を通し、ようやく契約に至る。各段階で、誰が、どんな情報を求め、どこでつまずくのか。これを地図にすると、どこで背中を押せばいいかが見えてきます。
顧客体験の視点で、つまずきを一つずつ取り除くことが、受注率の改善につながります。

BtoB調査の進め方

  • 課題設定。何を決めるための調査かをはっきりさせる
  • 対象者の選定。立場の異なる担当者をバランスよく集める
  • インタビュー設計。立場ごとに聞くことを変える
  • 実査と分析。発言の裏にある本音と、立場ごとの基準を読み解く
  • 提案。営業や商品開発に効く形でまとめる

対象者集めが、BtoBではとくに難所です。
協力してくれる企業をどう確保するか。既存の取引先に頼むのか、外部のパネルを使うのか。ここの段取りが、調査全体の成否を分けます。

BtoB調査でよくある失敗

  • 使う人にだけ聞いて、決裁者の基準を見落とす
  • 業界知識が浅く、表面的な話で終わってしまう
  • 少数の声を、市場全体の傾向と思い込む
  • 自社に都合のいい答えを、誘導して引き出してしまう

BtoBは母数が小さいぶん、一件の解釈を誤ると、全体を見誤ります。
立場をそろえて読む、業界の前提を踏まえる、都合のいい結論に飛びつかない。この慎重さが、信頼できる結果につながります。

BtoB調査の活用例

BtoB調査は、さまざまな場面で使われています。
新しいサービスを出す前に、ターゲットとなる企業のニーズを確かめる。失注が続く理由を、断られた相手に直接聞いて探る。値上げをしたとき、顧客がどこまで許容するかを測る。競合に乗り換えた顧客に、何が決め手だったかを聞く。
どれも、推測で動くと大きく外しかねない判断を、事実で支える使い方です。とくに失注分析は、自社からは見えにくい弱みが浮かび上がるため、やる価値の大きい調査です。負けた理由ほど、次の受注のヒントが詰まっています。

BtoBブランディングと調査

BtoBでも、ブランドは効きます。
機能や価格が似ていれば、最後はこの会社なら任せられそうか、で選ばれます。その印象は、地道な実績と発信から少しずつ積み上がります。調査では、顧客が自社をどう見ているか、競合とどう比べているかを測り、ブランドの現在地を確かめます。今の立ち位置が分かれば、何を伝え直せばいいかも見えてきます。

リサートのBtoB調査

リサートは、BtoBの複雑な意思決定を、インタビューを軸にほどいていく調査を得意としています。
使う人から決裁者まで、立場の違う相手の本音を引き出し、誰に何を伝えれば動くのかを明らかにします。マーケティングリサーチでBtoBの顧客を深く理解したいときは、まずは課題の整理からご相談ください。

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よくある質問

Q.BtoB調査とBtoC調査は何が違いますか?
A.BtoBは買う決定に複数の人が関わり、判断基準も費用対効果や社内合意が中心です。市場が狭く対象者が限られるため、数を集める定量より、深く聞くインタビューの比重が高くなります。
Q.BtoB調査で誰に聞けばいいですか?
A.使う人、選ぶ人、決める人、止める人と、立場の違う関係者に聞くのが理想です。それぞれ重視する基準が違うため、誰か一人に聞くだけでは、意思決定の全体像を見誤ります。
Q.BtoBでもブランディングの調査は必要ですか?
A.必要です。機能や価格が似ていると、最後は信頼できそうかで選ばれます。顧客が自社をどう見ているか、競合とどう比べているかを調べると、何を伝え直すべきかが見えてきます。

この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス 代表取締役

リサート所属モデレーター。外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。

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