定量調査とは?定性調査との違いや特徴、主な手法と使い分け方をわかりやすく解説

定量調査とは?定性調査との違いや特徴、主な手法と使い分け方をわかりやすく解説

はじめに

マーケティングや商品開発、サービス改善において、消費者のニーズや行動を正しく把握することは非常に重要です。そのために活用されるのが「定量調査」と「定性調査」の2つの手法です。

本記事では、数値で示せるデータを収集・分析する「定量調査」にフォーカスし、その特徴やメリット・デメリット、活用方法、定性調査との違いについて、初心者にもわかりやすく解説します。

定量調査とは?

定量調査(Quantitative Research)とは、アンケートやアクセスログなどを通じて、数値化できるデータを収集・分析する調査手法です。大人数からデータを集めることで、統計的に信頼性の高い結論を導くことができます。

特徴

  • サンプル数が多く、代表性が高い
  • 客観的かつ比較可能な数値データを得られる
  • 再現性が高く、同じ調査を別のタイミングでも実施しやすい

定性調査との違い

項目定量調査定性調査
データの種類数値データ言語・感情・印象など非数値的データ
サンプル数多い少ない
分析方法統計的手法内容の解釈・分類
得意なこと傾向把握、比較、検証深層心理、動機の理解
主な手法アンケート、Webログ解析などデプスインタビュー、FGIなど

両者は補完関係にあり、「なぜそう思うか」は定性調査、「どのくらいそう思っている人がいるか」は定量調査で把握することができます。

定量調査の主な手法

1. オンラインアンケート

最も一般的な手法で、インターネットを介して多くの対象者から回答を収集できます。コストが比較的低く、スピーディーに実施可能です。

2. 郵送調査・紙アンケート

高齢者層などネット非利用者を対象にしたい場合に有効です。回収率や入力作業に課題がありますが、丁寧な回答が得られることも。

3. 電話調査

無作為抽出による調査や、特定の地域・条件に絞った調査に有効です。オペレーターの技術により、補足説明も可能です。

4. アクセスログや行動履歴の解析

Webサイトやアプリでのユーザーの行動ログを活用し、利用状況やコンバージョンへの導線を数値で把握できます。

定量調査のメリット

1. 客観的なエビデンスが得られる

数値に基づいた明確な根拠を持って、社内やクライアントに提案・報告ができます。

2. 統計処理による検証が可能

仮説の検証やクロス集計、相関分析など、多角的に分析が可能です。

3. スピーディーかつ広範囲に実施可能

オンライン調査であれば短期間で数千件規模のデータ取得も可能で、スケーラビリティに優れています。

定量調査のデメリット・注意点

1. 深層的な理解には不向き

「なぜそのように回答したか」など、回答者の背景や感情までは把握しづらいです。

2. 回答の質にばらつきが出ることも

早く終わらせようとする「適当回答」や、設問の理解不足による誤答など、データの精度に注意が必要です。

3. 設問設計のスキルが必要

質問の順序や表現によって、回答結果が大きく変わってしまうリスクがあります。

定量調査が向いている場面

  • 新商品の市場ニーズを数値で把握したいとき
  • ターゲットユーザーの属性や行動傾向を分析したいとき
  • サービス改善の効果を可視化・検証したいとき
  • ブランド認知率や満足度の推移を定期的にチェックしたいとき

定性調査と組み合わせて相乗効果を

調査課題によっては、定量調査と定性調査を組み合わせる「トライアンギュレーション(Triangulation)」というアプローチが有効です。

  • まず定性調査で仮説やインサイトを抽出
  • 次に定量調査でその仮説がどのくらい当てはまるかを検証

このように両者を併用することで、より立体的で信頼性のあるマーケティング判断が可能になります。

まとめ

  • 定量調査は「数で示す」ことで客観的に傾向や関係性を把握する手法
  • 代表性や比較性に優れ、戦略立案や説得材料として有効
  • 深掘りには定性調査と組み合わせるのがベスト

マーケティング課題に対して「どの手法が最適か」を見極め、目的に応じた調査設計を行うことが、成功への第一歩です。

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