グループインタビューのデブリーフィングとは?進め方・注意点を徹底解説!

グループインタビューのデブリーフィングとは?進め方・注意点を徹底解説!

はじめに

マーケティングリサーチやユーザーインタビューにおいて「グループインタビュー(FGI)」は、複数の生活者の意見を同時に引き出せる有効な手法です。しかし、グループインタビューの価値を最大化するには、終了後の「デブリーフィング」が欠かせません。

この記事では、グループインタビュー後に行うデブリーフィングの意味・進め方・注意点を、初めてリサーチに関わる方にもわかりやすく解説します。

グループインタビューとは?

グループインタビュー(Focus Group Interview)とは、複数名(一般的には4〜6名)の対象者を一堂に集めて行う座談会形式の調査手法です。モデレーター(司会)が進行しながら、商品やサービスに対する意見・感想・要望などを参加者同士の会話を通じて引き出します。

この手法の魅力は、参加者の意見が互いに影響しあい、新たな視点や気づきが生まれる点です。個別インタビューでは得られない「生活者同士のリアルな反応」や「グループダイナミクス」が浮き彫りになります。

  • 得られる情報:共通意見、相違点、潜在的ニーズ、生活背景
  • 主な活用場面:新商品開発前の反応確認、広告評価、ターゲット理解
<関連コラム>

デブリーフィングとは?

「デブリーフィング(Debriefing)」とは、グループインタビューの直後に、リサーチ関係者(モデレーター、クライアント、分析担当者など)で行うフィードバック・振り返りのプロセスです。

目的

デブリーフィングの主な目的は、インタビュー直後の「新鮮な気づき」をチームで共有し、次のインタビューや分析に活かすことです。録音や録画では捉えきれない場の空気感や表情、リアルタイムで感じた違和感なども含めて共有することで、より立体的な理解が得られます。

  • 対象者の発言内容を整理・共有
  • インタビュー中に得られた気づきを明確化
  • 仮説の修正や次のセッションへの改善点を見つける
  • リアルタイムでのインサイト抽出

デブリーフィングの進め方:5ステップ

1. モデレーターからの簡易サマリー

まず、モデレーターがセッション全体の印象、対象者の特徴、グループの雰囲気などを口頭で報告します。時間が経つと印象が薄れてしまうため、インタビュー終了直後に実施することがポイントです。

2. 注目発言・印象的なやり取りの共有

参加者の具体的な発言や、印象的だったやりとりを関係者間で共有します。録音だけでは聞き取れないニュアンスや、場の空気感から読み取った情報も大切にします。

3. インサイト・仮説の検討

共有された情報をもとに、顧客インサイトや仮説の修正・精緻化を行います。この段階で仮説の方向性が変わることもあるため、チーム間での率直な意見交換が重要です。

4. 次のセッションへの改善点確認

複数回のグループインタビューを行う場合、初回で見つかった改善点を次回以降に反映することが重要です。ガイドの表現や順番、モデレーターの問いかけ方など、実行可能な改善点を洗い出します。

5. メモの整理・速記の確認

録音・録画だけに頼らず、リアルタイムで記録された速記やメモをもとに、記憶が新しいうちに整理を進めましょう。のちの分析やレポート作成に大きく役立ちます。

デブリーフィングでよくある失敗と注意点

デブリーフィングは、進め方によっては「ただの感想戦」になってしまうこともあります。以下によくある失敗例とその対策をまとめます。

失敗例原因対策
主観的な意見だけが残る感情的な印象に引っ張られる発言ベースで事実を整理する
発言の解釈にズレがある担当者の視点の違い複数人で視点をすり合わせる
改善点が曖昧なまま終わる時間切れ・話題の分散進行役を決め、時間を区切る

グループインタビュー×デブリーフィングの活用シーン

デブリーフィングは「振り返り」ではなく、「戦略的にインタビューの成果を高める時間」として位置づけるべきです。以下のような場面では特に重要なプロセスになります。

  • 仮説検証型調査:ユーザーの意識構造を仮説に照らして検討
  • ペルソナの再構築:実際の声をベースにターゲット像を修正
  • 広告・クリエイティブの磨き込み:言葉や表現の響きをチェック
  • 商品コンセプトの深掘り:共感・違和感の理由を丁寧に拾う

まとめ

  • グループインタビューは「多様な声を同時に収集できる」強力な手法
  • デブリーフィングは、調査結果の質を左右する不可欠なプロセス
  • チームでの視点共有と、仮説のチューニングが成功の鍵

デブリーフィングを適切に設計・実行することで、グループインタビューの価値は格段に向上します。単なる振り返りではなく、「次に活かすための戦略的時間」として活用しましょう。

グループインタビューはResearto.(リサート)にお任せ