マーケティングリサーチを外部の調査会社に依頼するとき、「依頼したけど期待と違った」という結果になるケースが少なくありません。多くの場合、原因は依頼前の確認不足にあります。この記事では、依頼前に押さえるべき5つのポイントを解説します。
確認すべき5つのポイント
1. 自分たちが何を「決めたいのか」を言語化する
調査会社に送るRFP(提案依頼書)や問い合わせに「市場調査をしたい」とだけ書いても、提案内容がぼんやりします。依頼前に「この調査でどんな意思決定をするのか」を一文で書けるようにしておきましょう。
例:「新製品Aのターゲット層として30代女性と40代女性のどちらが優先かを決めたい」「自社サービスの解約理由トップ3を把握し、改善施策の優先順位をつけたい」
これが明確だと、調査設計のレビューがしやすくなり、不要な設問が入り込むリスクも下がります。
2. 調査手法の提案理由を聞く
提案書に「グループインタビュー2グループ+アンケート500サンプル」と書いてあったとき、「なぜその手法か」を必ず確認してください。調査会社が得意な手法を提案している場合があり、必ずしも目的に最適な設計ではないことがあります。
手法と目的のつながりを担当者が論理的に説明できるか確認することで、パートナーとして信頼できるかどうかも見えてきます。
3. サンプルの定義と調達方法を確認する
「500サンプル」と言われても、どんな人が回答するかによって結果が大きく変わります。特に確認したいのは次の点です。
- スクリーニング条件(年齢・性別・居住地・職業・使用経験など)は何か
- リサーチパネルを使う場合、パネルの品質管理はどうしているか
- 特定の職業や行動履歴を持つ人を集める場合、調達の方法は何か
自社が想定している「ターゲット顧客」に近い人が回答するかどうかが、調査の価値を大きく左右します。
4. アウトプットの形式と分析の深さを確認する
報告書をもらっても「集計表だけで考察がない」「スライドはきれいだが何を決めればいいかわからない」という経験をしたことはないでしょうか。依頼前に「どんなアウトプットが欲しいか」を具体的に伝え、それが対応可能かを確認しましょう。
たとえば「経営層向けにエグゼクティブサマリー1枚にまとめてほしい」「改善施策の提言まで含めてほしい」といった要望は、最初に共有しておくべきです。追加費用になることもありますが、最終成果物のイメージを合わせないと後から修正が難しくなります。
5. スケジュールの根拠を確認する
「3週間後に結果をもらう」という話をするとき、「3週間のどの部分に何日かかるか」を確認してください。設計・フィールド・分析・報告書作成のどこかでバッファが薄いと、品質が落ちます。
特にフィールド期間(実際に回答を集める期間)は短すぎると回収率が下がり、サンプルの質も影響を受けます。「最短でこの期間が必要な理由」を説明してもらうことで、スケジュールの現実性を判断できます。
依頼後も継続的に確認を
依頼前の確認が終わったら、中間報告のタイミングを事前に決めておくことをお勧めします。特にフィールドが始まる前に設問票や調査票の最終版を必ず確認しましょう。完成した調査票を見て初めて「ここが違う」と気づくことは珍しくないからです。
リサーチ会社との関係はパートナーシップです。依頼前の丁寧なすり合わせが、調査結果の質と活用可能性を大きく高めます。
この記事を書いた人

石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター
リサート所属モデレーター。外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。
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